Tacktick マイクロコンパス

内蔵ソーラーパネルから電力を供給する小型コンパスです。操作性は本体上部の２ボタンのみというシンプルな設計です。三角柱型のボディ側面にポート用、スターボード用のディスプレイが2面取り付けられており、どちらで走る際にも画面の視認性に優れます。また、タック時にポート側、スターボード側で同じ数値が確認出来るようになっております（タクティクスモード）。本製品には下記の機能が搭載されております。

・コンパスモード（ヘディングアングルを表示）
・タクティクスモード（クローズでの帆走における風向変化の確認 - 詳細後述）
・カウントダウンタイマー

[パッケージ内容]

・マイクロコンパス本体
・ステッカー（＋、ー）
・ソフトケース
・ユーザーガイド
・背面固定クレイドル
・固定用ネジ類
・ストラップブラケット（T061 ブラケットキットにのみ同梱）

マイクロコンパス 取り扱い方法

下記は製品に付属のユーザーガイドのうち、実際の操作に関する主要箇所を抜粋、翻訳して再構成した簡易ガイドです。ユーザーガイドの内容を完全に網羅したものではありませんので予めご了承ください。また、Raymarine製品は仕様が予告なく変更となる場合がございます。そうした場合に下記が必ずしも最新の情報に更新されていることを保証するものでもございません。

本体ユニット電源のON
本品上部のソラーパネルには光量センサーが一体となっており、本品をケースから取り出してソーラーパネルに光が当たると電源が入ります。既に明所にあっても電源が入っていない場合はソーラーパネルを一度手で覆って光を遮り、再度光を当てると起動します。室内照明などでは本品が起動しない場合がございます。

本体ユニット電源のOFF
本品をケースに収納してソーラーパネルに光が当たらないようにします。その状態でMODEボタンを2秒以上長押しすると電源が切れます。（MODEボタンを押し込んだ時に一回、更に2秒後にもう一回「ピッ」という音がします。2回音が聞こえたら電源は切れています。）また、本品は7分間以上静止していると自動的に電源が切れます。ただし、オートオフはごく微細な振動でもキャンセルされるため海上で不意に電源が切れてしまうことはありません。

コンパスモードの使用
本品は起動すると最初にバッテリー残量（時間）を表示後コンパスモードに入ります。コンパスモードではポート側、スターボード側のいずれのディスプレイにも進行方向を示す同じ数値を表示します。

タクティクスモードの使用
コンパスモード時にMODEボタンを1回押すとタクティクスモードに切り替わります。タクティクスモードではオフセットアングル（タックアングル）の1/2の数値をスターボード側のディスプレイに加算、ポード側の数値に減算してそれぞれ表示します。タクティクスモード中にSETボタンを押すとオフセットアングルを調整出来ます。また、タクティクスモード中にSETボタンを2秒以上長押しするとオフセットアングルの調整単位を1、2、5、10度のいずれかに変更出来ます。いずれの調整を行った場合も数秒間無操作のまま放置すれば調整を終了してアングル表示に戻ります。

タクティクスモードの表示例
下図は以下の条件で帆走中に本品のコンパスモードとタクティクスモードとを順に表示した場合の表示数値を示したものです。

[条件]
・風向は0度（真北）から一定に吹いているものとする
・タックアングル（＝オフセットアングル）90度にて帆走
・スターボード時は正確に北西へ、ポート時は正確に北東へ帆走しているものとする
・タクティクスモードの数値変動単位は5度刻みに設定

[スターボードサイドでの帆走]
1の状態では北西（315度）に向かっているため、コンパスモード時には「315」が表示されます。この状態でタクティクスモードに切り替えると、オフセットアングル90度の1/2である45度がスターボード側の表示アングルに加算されます。315＋45＝360＝0であるため、表示は0となり、0度方向から風が吹いていることを示します。（ポート側の画面では45度が減算され、270と表示されますが、スターボードでの帆走中はスターボード側の画面表示が正しい表示となります。）

[ポートサイドでの帆走]
1の状態から90度でタックし、船首が2（北東＝45度）を向いた場合、コンパスモードでは「45」が画面に表示されます。この状態でタクティクスモードに切り替えると、タックアングル90度の1/2である45度がポート側の画面表示から減算されます。45-45=0であるため、表示は0となり、先程スターボードサイドで確認していた風向と同じ0度（真北）の風を確認することが出来ます。（スターボード側の画面では45度が加算され、90と表示されますが、ポートサイドでの帆走中はポート側の画面表示が正しい表示となります。）

このように、風向が一定の場合、タクティクスモードではスターボード、ポートの両サイドで同じ数値（風向）を確認することが出来ます。この数値変動を監視することで風の動向を知ることが出来ます。

カウントダウンタイマーの使用
コンパスモードから2回MODEボタンを押すとタイマーモードに入ります。タイマーモードに入るとカウントダウン時間を分単位で表示します（5分なら5と表示します）。SETボタンを押すとカウントダウンが開始され、1分ごと（59秒以下は10秒ごと、最後の10秒は毎秒）にアラート音でお知らせします。カウトダウン進行中にSETボタンを押すと最も近い分単位の区切りまでスキップまたは巻き戻ります（シンクロ）。カウントダウン終了後はタイマー起動前に使用していたモードに戻ります。

カウントアップタイマーの使用
カウントダウンが終了して表示がコンパスモード等に戻っても、タイマー自体はそのままカウントアップに移行してカウントを続けております。MODEボタンで再度タイマーモードに合わせるとカウントアップが表示されます。SETを押すとカウントアップを終了します。

カウントダウン時間の調整
タイマーモード中にMODEとSETの両ボタンを同時押しすると表示数値が点滅し、カウントダウン時間を1〜20分まで分単位で変更できます。変更を確定するには再度MODEとSETを同時押しします。カウントダウン時間を11分以上に設定するとカウントダウン表示が「分：秒読み」から次の例のように変更されます：「11分30秒＝11:5」

バッテリー表示と充電
バッテリー残量は本体起動時に5秒間、時間単位で表示されます（150＝150時間）。最大充電時の連続稼働時間は200時間です。バッテリー残量が50時間を下回ったら本品を強い日差しの下に数日間晒してください。曇天時は充電効率が著しく下がる場合があります。一方快晴時には本品の使用中にも並行して充電できる場合があります。充電中に本品の電源が入る場合がありますが問題はございません。

設置と保管に関するご注意
本品の設置時には固定アングルが20度以上傾かないようにご注意ください。また、本品は電磁波の影響を受けやすいため、電磁波を発する機器の近く（70cm以内）に設置しないでください。ご使用後は本品を固定クレイドルから取り外し、ケースに入れてソーラーパネルへの光を遮断して電源を切ってから保管してください。