Raymarine SeaTalkng接続ケーブル
Raymarine製品の多くに採用されているSeaTalkNGと呼ばれる方式は、NMEA2000(N2K)をベースにした通信規格を持つケーブル・通信規格です。SeaTalk1との統合を行う際に使用するピンを独自に追加しているため6ピンとなっている点以外はNMEA2000と全く同じ方式となっており互換性もあります。ネットワークの構成方法もNMEA2000と同じで、バックボーンと呼ばれる主幹ケーブル(青)にドロップケーブルと呼ばれる枝分かれケーブル(白)と電源ケーブル(赤)を接続し、各ドロップケーブルの先に機器を接続するという構成となります。バックボーンを経由して各ドロップケーブルに接続された機器は相互通信が可能となります。また、バックボーンに接続された電源から各機器への電力供給も可能となっています。ただし、消費電力の大きな機器など一部の機器は独立した電源配線を必要とする場合があります。詳細は各製品の取扱説明書を御覧ください。
SeaTalkNGのケーブル種別
SeaTalkNGは配線方法の関係上(詳細後述)、3種類のケーブルを使い分けてご使用頂く必要がございます。各ケーブルは色分けがなされており、いわゆる「プラグ・アンド・プレイ」が可能ですので配線接続自体は非常に明快です。各ケーブルの働きと基本的な注意事項を簡単にご説明しますので、配線計画のご参考としてご参照ください。
バックボーンケーブル(カラーコード:ブルー)
主幹ケーブルです。下記の「スパーケーブル」は全てこのバックボーンケーブルに接続されます。ネットワークに組み込む全ての機器に届くよう、時には船体全長に渡ってひと続きのバックボーンを配する必要があります。また、バックボーンのちょうど中腹あたりに電源ケーブルを接続することで各機器へ電力を供給出来ます。バックボーンには通常「両端」があり、端には必ずエンドプラグを挿入しておく必要があります。また、バックボーンケーブルを各機器に直結させることは出来ません。必ず各コネクタの青いソケットに接続します。
スパーケーブル(カラーコード:ホワイト)
NMEA2000において一般的に「ドロップ」と呼ばれるケーブルです。Raymarineではspar(スパー:支脈)と呼称しています。バックボーンケーブルの随所に設けたコネクタの白いソケットに接続し、バックボーンから枝分かれして各機器へと伸びます。このスパーケーブルを介してバックボーンへと接続された各機器は、データの相互通信と電力の供給が可能となります。機器によっては複数のスパーケーブルソケットがついたものがありますが、これは原則としてリピーターなどのリレー用です。バックボーンを介さずにスパーケーブルのみで複数の機器を接続することは出来ません。
電源ケーブル(カラーコード:レッド)
一方が白のコネクタ、もう一方が赤・黒・アース線のケーブルです。バックボーンに設けたコネクタの白いソケットに接続します。下図のようにネットワークの中腹部に接続することでバックボーンを介し各機器へと電力を供給できます。やはり電源ケーブルも機器背面の白いコネクタに直結するような配線方法は用いないでください。
SwaTalkNG(NMEA2000)と互換性のあるケーブル規格
SeaTalkNGはRaymarineの完全な独自規格ではなく、あくまでもNMEA2000をベースとした通信規格です。メーカー各社はNMEA2000をベースとした自社規格を各個に展開しており、コネクタ形状には統一性がありませんが、NMEA2000ベースの規格であれば電気的・データ的には通常互換性を有します。NMEA2000はエンジン制御に用いられる通信規格「CAN bus(Controller Area Network)」とも互換性を有し、RaymarineのSeaTalkNG機器もCAN busとの連携が可能です。また、CANの通信プロトコルを利用した規格「DeviceNET」とも互換します。DeviceNETはメーカーの垣根を超えてネットワーク仕様の標準化を目指した規格です。このためRaymarineでも多機能ディスプレイなどネットワーク構成を前提とする機器の多くにはSeaTalkNGではなくこのDeviceNetポート(Micro-C 5ピン)が設けられております。
SeaTalkNGとSeaTalk1 / SeaTalk2
Raymarine製品の旧通信規格であるSeaTalk1機器をSeaTalkNGネットワークに直接統合させることはできません。必ずSeaTalk1 - SeaTalkNGのコンバーターを経由させる必要があります。なお、SeaTalk2(5ピン)はNMEA2000ベースの規格であり、アダプターケーブルによるコネクタ形状の変換のみで接続が可能です。