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Resources - ステンレスのグレードと特徴

ステンレスなのに磁石がくっついたんだけど(怒)

このご指摘を本当にたくさん頂戴するのですが、本稿要旨の一つですのでまずお伝えします。磁石が付く(磁性がある)ステンレスは、多数存在します。ステンレスは単一の金属を指す名称ではなく、鉄にクロムを混合し合不動態被膜を形成させ、耐食性を付与した合金の「総称」に過ぎません。ここでは「ステンレス」を少しだけ噛み砕いて、そのグレード(種類)や特徴をご紹介します。

※以下はあくまで弊社取り扱い商品および海事産業に関連する事項を切り取ったご説明であり、ステンレスに関する情報一般を広く詳細に取り扱ったものではない点あらかじめご了承ください。

細かいグレード分けがあるのは「適材適所」だから

耐食性で言えば、その王者はSUS316であることは事実です。ですが、SUS316は決して高強度な素材ではない点には注意が必要です。ファーラーを含むステー用の金物などにあっては、サイズ違いでメーカーが素材を変えているなどのことは普通のことです。例えばマリンショップでシャックルなどの金物を見ていて「同じメーカー、同じシリーズでちょっとのサイズ差なのに、なんで○○mm以上になると急に値段が上がるんだろう?」と感じたことはありませんか?一定サイズ以上のものは高強度な素材に切り替わっている可能性があります。詳細は後述しますが、次回マリンショップに行かれる際は磁石を持って行ってみてください。全メーカー絶対ではありませんが、もし値段の落差が大きようなものを見かけたら、そこを境に磁石がつく、つかないが綺麗に分かれるのをご覧頂けるかも知れません。

ステンレスは3(+1)種類に大別される

分類1:オーステナイト系ステンレス

最も広く使われているSUS304、そしてマリン用の主流グレードであるSUS316など、「300系」とも呼ばれるグループです。300系の特徴はクロムの他にニッケルを添加していることで、このニッケルが磁性を失わせる要因となっています。つまり、ステンレスの中で磁性がないのは、この300系の特徴であってステンレス一般に広く当てはまる特徴ではないのです。しかも、300系ステンレスですらきつい曲げや捻りの加工を行うことで磁性を持つ場合があります(マルテンサイト変態)。耐食性に最も優れるのがこのオーステナイト系で、とりわけSUS316はニッケルの他にモリブデンを加えることで不動態皮膜の形成力を一層高めたものです。更にはこのSUS316の炭素含有量を下げることで更に耐食性に優れたSUS316Lという上位グレードも存在します(焼きなまし=焼戻し後ゆっくり温度を下げた際に炭素が少ないほうが硬化を起こしにくく、溶接時に炭素とクロムが結合することでクロム不足が起こる問題を解消できるため)WichardやPetersen Stainlessのシャックルや金物は、多くがSUS316Lです

分類2:フェライト系ステンレス

SUS430やSUS444など、クロムの他にモリブデンや銅を添加したグレードで、加工性に優れる一方で強度は低く、焼入れなどを施しても硬化しません。耐食性でもオーステナイトには及ばないため、強度や耐食性が共に求められる海事用途には適さないことが多いものです。一方、オーステナイト系の弱点の一つである応力腐食割れ(後述)を起こさず、この点からオーステナイト系の代替素材として採用されるケースはあります。ニッケルを含んでいない(400系と呼ばれる)ため、磁性を持ちます。このフェライト系にオーステナイト系を混合した二相ステンレスと呼ばれるものもあり、高い耐食性に加え強度も300系の2倍という特性を持ちます。例えばSELDENのファーラー下端部にある、スナップシャックルアダプターと呼ばれる特殊なシャックルはDuplex2205という二相ステンレスが使われています。

分類3:マルテンサイト系ステンレス

マルテンサイト系はそのままでは脆いグレードですが、焼入れ、焼戻しによって高い強度や対摩耗性を持ちます3分類の中で最も強度に比重をおいたグレードで、大きな荷重を受けるような用途(ベアリングなど)で広く使われていますが、耐食性は3分類中最低です。SUS403やSUS440などのマルテンサイト系ステンレスも磁性を持ちます

分類4:析出硬化系ステンレス

析出硬化処理と呼ばれる特殊な熱処理を加えることで、硬度と耐食性をどちらも上げてしまうという、良いトコ取りな性質を付与されたステンレスです。SUS630やSUSH660などが代表として挙げられることが多いものですが、よりマリン向けに具体例をお示しするとすれば、ハイブランドの金属製シャックルなどには析出硬化系ステンレスが使われているケースがあります。本稿作成時の弊社在庫品で言えば、WichardやTylaskaのシャックルなどが該当し、同社製品は17-4PHと呼ばれる析出硬化系ステンレスで製造されています。17-4PHはSUS304と同程度の耐食性を持ちつつ非常に高い強度を持っており、数あるステンレスの中でも特にハイグレードとされる高価な素材です。なお、このグレードも磁性を持っています。

ステンレスは錆びない?!

前述の分類やグレードによって差はあるものの、ステンレスは防食能力を持った合金です。それでも、ステンレス表面に付着した異物を起点として起こる孔食やもらい錆など腐食要因は存在するほか、不動態皮膜の形成に必要な酸素が金属表面に行き渡らないことによる腐食(カバー付きライフラインやクローズタイプのターンバックル内)など、不適切な設置法、使用法のためにステンレスの防食性能を活かせていないケースは散見されます。また、例えば腐食に強いはずのオーステナイト系の盲点として「応力腐食割れ」という経年劣化があります。引張負荷がかかっている状態のステンレスが腐食環境に晒され続けることで割れてしまうというもので、例えばヨットのステー類ではこの条件が揃ってしまうケースがあります。10年程度でリギン交換強く推奨される所以です。

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